京焼・清水焼とは
京焼・清水焼とは
まず、京焼とは、京都で作られる焼き物の総称です。
一方、清水焼とは、京都の有名なお寺である「清水寺」の辺りで作られた京焼の種類を指します。参拝客への土産物として焼き物が販売されたのが名前の由来となりました。
京焼には色々な種類がありましたが、現在は清水焼だけが残っています。なので、経済産業大臣指定の伝統工芸品としても「京焼・清水焼」という名称で登録されています。
また、京焼は注文を受けて自由に作られるため、注文を数と同じぐらい様々なスタイルの焼物が生産されます。このような多様性は京焼・清水焼の大きな特徴であると言えます。
参考文献 中川政七商店の読み物「京焼・清水焼とは」<https://story.nakagawa-masashichi.jp/craft_post/112199>
株式会社東五六「京焼・清水焼について」<https://www.tohgoro.co.jp/kyoyaki-kiyomizuyaki.html>
京焼・清水焼が出来るまで
他の伝統工芸と同様、京焼・清水焼が出来るまでは、数々の工程を要します。京焼・清水焼の工程を簡略にまとめました。
参考文献 コトブキ陶春「清水焼のできるまで」<http://www.toushun.com/02.html>
写真 京都伝統産業ミュージアム
1.成形
土を良くもみ、それぞれの形につくりあげていきます。
2.生素地加飾
半乾燥・完全乾燥した素地に削り、化粧などの加飾をします。
3.素焼き
完全に乾燥させたあと、600~800°Cの温度で焼き固めます。
4.下絵付け
筆を使って下絵を書き込みます。呉須(ごす)、鉄サビなどの下絵具を用います。
5.施釉
釉薬を塗布します。
焼成によって透明に、あるいは発色したりします。
6.本焼成
1200~1300°Cの高温で焼き上げます。
7.上絵付け
800°Cぐらいで溶着する上絵具を使い、繊細な模様を描き、彩色をします。
8.焼付け
800°Cの温度で焼き付けたら完成です。
豆知識!
陶器、磁気の違いは?
陶磁器という言葉は、陶器と磁器を合わせて呼ぶ単語です。では、陶器は磁器の間にはどのような違いがあるのでしょう?陶器と磁器はそれぞれ使われている原料が違うため異なった特徴を持っています。
原料が違うため、作品の作り方、焼成温度、質感や熱伝導率が異なります。
陶器は陶土と呼ばれる粘土が使われており、様々な有機物を含んでいることにより、有色に仕上がることが多いです。
磁器は粘土や磁土(磁器土)と呼ばれ、有機物を含まないため、白色に仕上がることが多いこと、光を通すと透けて見えることがが特徴として挙げられます。
陶器の例 by Sharada Prasad CS(Flickr)