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漆について

漆とは:

漆とは9000年前の縄文時代初期から用いられてきた天然素材であり、ウルシの木から採れる樹液です。採りたての漆(生漆)は乳白色をしています。熱を加えて水分を飛ばして精製する時、鉄や顔料を入れると黒や朱色など、様々な色の漆を作ることができます。

漆の特性:

漆は湿度がある方が乾きます。適度な湿度は70%~90%で、温度は25~30℃です。漆は乾く前に触れるとアレルギー反応を起こし、皮膚がかぶれてしまいます。しかし、乾いた漆はアレルギー反応を起こすことなく、とても頑丈で、酸、アルカリ、熱や湿気にも強く、腐敗防止や防虫効果もあります。

漆には腐敗防止や防虫効果などの特性があると言われています。

 

京都漆器工芸組合による、漆の抗菌効力の実験によると、大腸菌、MRSAやサルモネラなど食中毒の原因になる菌が、なんと4時間後に半減、24時間後にはゼロになるという結果が出ました。つまり、天然素材である漆を塗った漆器は安全性が高く、「自然の抗菌食器」になります!

 

さらに、漆は熱にも強いため、熱いスープを入れても、プラスチック容器のように有害な化学物質が溶け出すこともなく、体への影響の心配がありません。漆器は日常的に使用する食器にもちろんのこと、育児や福祉介護、給食業界などにもうってつけの食器です!

出典:京都漆器工芸協同組合「「抗菌漆器」のレポート記事」

http://www.kyo-shikki.jp/think/index.html

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漆かきについて:​

 

ウルシ科に属する植物は、世界中に約600種ありますが、樹液を塗料として使用できるものは“うるし”の木から採ったものだけです。"うるし"の木は、韓国、中国など東南アジアに広く分布しています。 日本では6月から10月下旬にかけて採取します。

うるしの木は傷をつけると、傷口を防ぐために分泌物を出します。この分泌物が「漆液」です。採漆は樹周30cm程度ある10年生以上の木で行います。まず、「カンナ」という特殊な道具でうるしの木を水平に掻き、溝をつけます。次にカンナで掻いた溝をアイと呼ばれる部分で切り、分泌してくる漆液をヘラで掻き採ります。掻き溝は、最初は短く、4日ごとに少しずつ長くしてゆきます。 

1本当たりに採れる漆液の量は、1シーズンに約200g(牛乳ビン1本分) 余りで1日当たり10gほどにしかなりません。

漆の現在:

接着剤として文化財(建造物)の修復や欠けた器の修復にも使えるので、とても優れたサステナブルな天然素材です。しかし、40年代以降全国的に漆の産業が衰退し、現在、漆の国内自給率はわずか3%にすぎず、97%は中国の輸入に頼んでいます。国内の漆産地は岩手県の二戸市浄法寺町や京都府の福知山市夜久野町を含め、1府9県12ヶ所しかありません。

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やくの木と漆の館

京都の北西部、兵庫県との境目、京都で唯一漆掻きが行われている場所京都府福知山市夜久野町そこには漆を学ぶことができる「やくの木と漆の館」。

温泉、宿泊施設、農産物の販売、レストランなどがある、「道の駅農匠の郷やくの」内にあります。

漆のことや、木から漆を採集する工程が詳しく紹介されており、漆について学ぶことができるだけでなく、漆塗りの体験や、金継ぎもすることができます!


利用案内

開館時間  10:00~17:00

休館日   水曜(祝日の場合は翌日)

      漆塗りの体験は木曜日休み

入場料   大人330円・中学生以下は無料

所在地   〒629-1322

      京都府 福知山市 夜久野町平野2199

ホームページhttps://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/64/13903.html

 出典:福知山市

https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/64/13903.html

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